悩みや困難

自分の性別がその人の本当の性別でなかった場合、深刻な苦痛と不安、抑うつな状態となります。性同一性障害の当事者は自分の体への不快感がひどく、それが日常生活、たとえば学校や仕事や社会活動を妨げる問題がでてきます。
まずは、性同一性と性役割、オカマについて軽く説明後、どういった部分で悩み、困難があるのかを大まかにまとめてみました。

性同一性と性役割

多くの人間は、自分が男性、女性、あるいはその中間と、自分の性が何であるかを無意識に確信していて、その認識を他人の強制や自らの自由意思で変えることはできません。その継続的認識と確信のことを性同一性(ジェンダー・アイデンティティ)といいます。

性役割とは、基本的にはその文化において自己の性を適切に表現するための行動様式と見ることができます。そのため、性役割を習得するに当たっては自己の性をどのように考えているかが問題となります。従って、多くの場合は性役割は性同一性に一致しています。
性同一性障害の当事者の場合、心と体の性の不一致、家庭や学校で自己の性自認と違う性役割を与えられることで自信を失い、自己嫌悪に陥りやすく、様々な問題が生じます。それが故に医療や行政面での対応がなされつつあります。

オカマについて

「同性愛との違い」を読んでいただくとわかりますが、「オカマ」と奇異の目で見られたり、変態、気持悪いとイジメられたりすることを恐れて、性同一性障害のMTFの方は、鬱など心の病を持つ方が多いのです。

社会での困難

本人の身体と心の違和感
身体の性の特徴の部分を嫌い、心の性が求める身体的特徴になりたい願望があり、同じ性同一性障害の当事者であっても、違和感はそれぞれ違います。MTFでは睾丸を自分で潰す人もいます。FTMは胸の膨らみを押さえる専用の肌着を着る人は多く、女声を嫌って喉に割りばしを突き立てたりする人もいます。身体の性別で扱われることは、未治療や理解者が殆どいない当事者の場合は、怒りや気分の落ち込み、自己嫌悪など、不安定な気持ちになりがちです。
** 心の安定は、周囲からの受け入れと本人の望む性を認めてあげる事にあると思います。この世に生きるどの人間でも差別されるものではないと思います。
カミングアウト
親や兄弟、仲間や友達、学校や職場など、苦しさをどうにか軽減するために「性同一性障害である自分」の受け入れや対応を求めるために告白することをカミングアウト(カムアウト)と言います。、”信頼できる相手”へのカミングアウトがキーポイントかと思います。よい結果ばかりではないため、長年自分一人で問題を抱え込み、辛い思いをしている人は多いです。
カミングアウトすることで勘当されたり、友達を失ったり、教師や生徒らからのイジメなどで不登校になったり、面接で性同一性障害であることを理由に就職が困難になったり、解雇や退職に追いやられるなどのケースは多くみられます。
また、カミングアウトした職場や相手に配慮を求めたり、他言しないように約束しても、職場の判断で全員に知られてしまう対応をとったり、あるいは友達が周囲に話した事で噂が広がり、知られたくない人に知られて、学校や職場、友達グループなどに居づらい状況に陥る場合もあります。
** カミングアウトによって、友達との絆が深くなったり、理解ある職場で就職できる方もいます。ですが、カミングアウトされた相手もそれを抱えるプレッシャーもあり、秘密保持が難しい状況にある場合もあります。
カミングアウト後に周囲に噂が広まったことで自殺まで及ぶ恐れのある当事者もいます。
カミングアウトされた方は秘密保持に徹して、自分以外の者に話すことで本人が辛い状況になる問題である事、信頼されての告白という事を胸に刻んで、対応してほしいと思います。
学校での問題
トイレや制服、体操着、身体検査、プール、友達、恋愛、など、あらゆる場面で辛い思いをします。集団生活とは男女の二つに分かれての場面も多いですが、それは性同一性障害の当事者にとっての苦痛そのものです。トイレに行くのを我慢したり、プールの日は休んだり、ジャージ登校で教師に罰を与えられるなど、本人は逃げる行動しか選べなくなります。一般的な性別振り分けの環境が自殺念慮さえ抱き、不登校になるほど当事者にとっては辛い環境であるのです。
** 学校側へは文部科学省から全国の教育委員会へ性同一性障害や同性愛の生徒に対するきめ細かい対処を実施するよう具体的な対応例をのせての通知がありました。現場教師、全校生徒、その親御さんらの理解を得ないと無理な事なので、すぐには改善はできないでしょうが、これが学校問題の改善につながる一歩になることを願いたいものです。それがうまく進めば、多様な性について受け入れのある社会になっていくのではないかと思います。
仕事
性同一性障害者は治療によって社会のなかで自らの希望する性別で生活していく者は多いです。FTMに多い傾向ですが、性同一性障害の当事者は不登校による学歴の低さの面で就職に影響があります。また、MTFの当事者は見た目の問題から就職困難や、治療を進めるために上司へカミングアウトしたために職場を追われたり解雇にあうケースも目立ちます。また、手術には一か月~数か月ほど安静を要し、職場を転々とする人は多いです。また、特に治療が進んでいない若い当事者に目立ちますが、身体の性で扱われる事に耐えられずに仕事が長く続かない者は少なくありません。
** 就労において、性同一性障害の当事者への支えとなるのは、職場からの受け入れや無理のない配慮、そして理解ある仲間が身近にいることなどです。
治療
専門医師による性同一性障害との診断を受け、本人が望んで問題なければホルモン治療と手術で望みの性の身体に近づける事ができます。しかし、現状としては、性同一性障害の治療を行う医療機関は少ないです。また、医療費は健康保険が効かず自費となります。親の反対、自分の持病、経済的理由、仕事上の理由などで治療を受ける事ができない当事者もいます。治療で完璧に望みの性の身体を得ることは不可能なので、仕事や恋愛、結婚、老後など、自身の性別において、様々な部分で不安や問題に対面し、苦悩する事は続きます。
** 治療に踏み込めば、元の身体に戻れない事が殆どです。特に未成年は一時的な場合もあるので治療への焦りは禁物です。
治療は、自己責任と自己決定で受けることになります。また治療後は、自己管理は大事です。そのためにも受ける治療に関しての知識を身につけましょう。
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